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平成20年度広島県スポーツ指導者研修会
広島会場T 
 平成21年2月11日に広島国際会議場において,約350名の参加を得て開催した。主催者を代表して久保田文也専務理事が挨拶し、続いて公認スポーツ指導者等表彰を行い、広島女学院大学准教授の下岡里英氏、オリンピック女子バレーボール日本代表の吉原智子氏、広島大学大学院教育学研究科教授の東川安雄氏に講演をしていただいた。なお、昼食のお弁当は下岡氏がアスリート用にプロデュースされた「アスリート弁当」を参加者全員でいただいた。 
吉原知子氏
『私のバレーボール人生』
 バルセロナ・アトランタ・アテネオリンピック 
女子バレーボール日本代表  吉原知子氏


 バレーボールを始めたのは地元の妹背牛中学校バレー部が全国的に強かったのでどこまでやれるか挑戦してみようと入部した。その部はスパルタ指導であったが、不思議と勝つともう少し頑張れると思った。高校でも猛練習を積んだが、道内のライバル校に一回も勝てなかった。ライバル校が夜の1時、2時まで練習していると聞き、同じように練習したがそれでも勝てず、悔しい思い出しか残っていない。

 進路は監督から実業団の日立へ行くように言われ、当時は日立=全日本であったが、3年間は頑張ってみることを決めた。日立に入った年がソウルオリンピックの年で、代表合宿中、男性コーチとオリンピックチームで練習試合をしていたが、ある時、オリンピックチームが負けた。当時の山田監督が「もうお前たちのオリンピックは終わった。明日から練習しなくていい。」と言われた。監督は、本番では失敗は許されない、練習のための練習ではなく、常に試合だと思ってやることを伝えたかったのだと思った。

 プロ化の関係で日立から解雇され、イタリアのプロチームでプレーすることになった。イタリアのチームはオンとオフの切り替えとプロ意識が凄い。そして、自分はどう思っているのかと、いつも意見を求められる。アトランタオリンピックで日本に帰ったが、史上最悪の9位。原因を考えると信頼関係が表面だけで、プレーの確認があいまいであった。必ず、踏み込んだところまでコミュニケーションをとる必要があった。

 次のオリンピックは26歳の年齢制限があった。私は28歳だったので、セリンジャー監督にバレーをやめると言ったら「後輩があなたを抜いた時にやめられるのではないか。」と言われた。空いたポジションに入る選手と血の滲むような努力をして奪い取った選手では執着心が違う。日本でナンバーワンの選手になるという新たな目標を立て、チームを優勝させること、自分にしかできないパフォーマンスを磨き上げるという思いで続けた。

 アテネオリンピックの代表(キャプテン)に呼ばれ、やらないで後悔するよりも絶対やった方がいいと思い、全日本に行った。この全日本のチームはアジアで勝てればいいという雰囲気があり、これでは駄目だと思い、すぐにミーティングをしたが、効果がなかったので行動で示そうと一番年上の私が早朝4時から練習を始めた。チームで3つの約束事を作った。「目標を見失わない」、「人の事を陰で言わない」、「コートに立ったら100%のプレーをする」。合宿では挨拶の声が小さい、掃除をきれいにしていないと説教をした。強いチームはこういうことがしっかりしている。若い選手が一歩引いてチームに溶け込めていないので積極的にコミュニケーションを取るようにした。仲良しこよしから、だんだんと戦う集団になった。しかし、オリンピックが初めての選手が12人中10人。どこか地に足が着いていない、動揺して信じられないようなミスがポロポロでた。

 山田監督とセリンジャー監督は似ているところがあった。世界に付いて行くのではなく、世界の先端を行こうとする考えだった。常に高いものを要求された中でやってきた。やってよかったと自信を持って言える。思い通りにいかない時もある。ポジティブに考えるのとネガティブに考えるのでは全く中身が変わってくる。常に、何があってもポジティブに考えて色んな事をやってみましょう。



『子どもの体力向上について』 〜栄養バランスから〜 
 広島女学院大学 准教授 下岡里英氏

『子どもの体力向上について』


 今一番“食”の中で言われている問題が朝食の欠食。体力低下の理由は色々あるけれど、食事もひとつの理由と思われる。朝食を毎日食べる児童生徒の方がテストの正答率が高い傾向が見られる。食事を抜くという事は、頭の回転だけではなく、身体づくりにも当然影響する。

 小・中・高の食事で優先されることは、健全な成長が最優先で、その上にスポーツをするために必要な栄養素の摂取をしていく。基本的な食事がきちんとできていれば、そのままアスリートの食事レベルにすぐに移行できるので、基本的な食べ方を早く理解させることが非常に重要である。

 スポーツをするという事は、糖質をたくさん燃焼しないといけないので、糖類を主な供給源とする物は当然増えてくる。身体を作るたんぱく質も増える。必要な蛋白、糖質をどうやって加えていくかがアスリートの考え方で、基本の食生活が成長期で出来ているかで、アスリートになれるかどうかという大きな差が出てくる。「穀類は結構摂らないといけない、これくらい摂るためには、こんな食べ方をしないといけない」という事を、感覚として子どもたちが理解することが必要である。

 強くなるために穀類というのは非常にウエイトが大きい。2003年にオリンピック委員会から公式に発表された「アスリートのための糖質摂取に関する最新ガイドライン」に「アスリートはトレーニングプログラムに必要なエネルギー源となる栄養素を必要量摂取すること、筋グリコーゲンの貯蔵量を回復させることを目標に、適切な糖質摂取を行うべきである。」とはっきり書いてある。その供給源は米。鉄の摂取不足で見かけの貧血とかが出てくるが、特にアスリートは、15mg相当が欲しい。中高校生は10mgとか11mgの量が必要になってくるが、摂取するのは難しい。鉄の多い食品としては、肉であればレバーが圧倒的に高い。赤い肉というのは血液成分を含んでいるので鉄が豊富である。魚介類は、牡蠣、鰹、鰯、身の赤い方が血液成分が高い。

 野菜は小松菜、水菜。食というのは生きていくための根底であり、楽しく食べてはじめて意味がある。お弁当を開けて「あー美味しそうだな」これが大事。色がいいとか、いろんな種類の食品が入っているとか、色んな経験を子どもたちにさせてもらいたい。食というのは、いかに経験をしたかが非常に重要。

 コンビニ弁当の上手な活用法として、幕の内弁当は栄養バランスは基本的にいいが、ひじきを付けると、鉄とカルシウムが増えてOK、ビタミンCがないので、苺かグレープフルーツジュースを加えて、100%に近くなる。色んな食材がたくさん入っている物を選ぶこと。なかったら、切り干し大根や小松菜のおひたしとか、栄養価値も高いので加えること。スポーツ種目によって基本的に競技前に必ず水をコップ一杯からペットボトル1本くらいを摂取した上で、さらに定期的に摂取すること。水分というのは、熱中症の予防になるという事と、エネルギーの補給という事の両方を考えていきながら水分補給をしていくことが重要になる。



『指導者の役割』
広島大学大学院教育学研究科 教授 東川安雄氏


 20年前の一つの事件の例として、「ある生徒が中学生になり、運動部に入部したら、やたら長い練習時間、先輩後輩の関係が大変厳しく1年生は命令どおり働くだけで練習にも大きな差があり、コートに入れなかった。2年生が顧問の先生のビンタで鼓膜を破ると言う事件が起きたが、熱心な先生の愛のムチが過ぎたと片付けられた。退部しようと思ったが何とか踏みとどまった。2年生になり、退部の申し出を担任に渡したが、ある日の放課後、顧問に呼び出され、退部の理由がはっきりしないと問い詰められ、さらに、罵りなれながら3時間半にわたって殴るけるの暴行を受けた。生徒はその後、通院と登校拒否が続くこととなった。何とか立ち直り、高校で3つのクラブを掛け持ちするようになった。」(一部分) 特異な例なのか、よくあることなのか。しかし、あってはならないこと。指導者の考えはあるかもしれないが、体罰は絶対に許されないこと。現役時代に自分が嫌だったことを指導者になって、また同じこと(再生産)をしていないか。どこかで根を絶やさないといけない。

 スポーツを専門に学ぶ大学生10人に聞いてみると、クラブをやめたいと思ったことは、「毎日毎日怒られるし、殴られるし、・・・」、「レギュラー組と控え組で指導者の扱いがまったく違った。試合にも出してもらえなくて、何のために練習しているのか分からなかった」、「先生に怒られるのが辛かった」など。練習の辛さを乗り越えることは必要であるが、非常にしんどそうだというのは分かると思う。やめなくて済んだのは、汗水流した仲間が励みとなった。苦しい時、指導者が相談に乗って導いてくれたというのがなかった。

 競技に対する自信はどうやってつくのか。1番は、やっぱり先生、指導者から褒められたことが自信に結びついていく。失敗したことを上手くフォローしてもらって、それが自分なりに成功した経験ができたか、そういう指導を受けたかどうか。また、「聴いてもらう・聴いてあげる」時間・場を是非設けてほしい。子ども、選手をしっかり受けとめること。ラクビーの平尾氏が雑誌の対談で「日本のスポーツを悪くしているのが補欠の存在。スポーツは基本的に遊びだからゲームを楽しむことがメイン。」と語っていた。楽しめるところをどうやってつくるかが指導者の大切な役割ではないか。始めに述べた同僚の先生が書いた文章の一部を紹介してまとめとしたい。「部活動は生徒の自由な選択を大前提として、生徒は異年齢の集団の中で自らの生き方を模索する場にならなければならない。教師の指導はそれを保障するものでありたい。」これが全てではないが、とても大切な仕事だと思う。
 
 
 
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